【世界一周の記録 #5】旅の途中で

メキシコ

うどんを作り、誕生日を祝い、少しずつ家族になっていった前編

前編では、家族の中に入っていく感覚を書いた。
後編では、「いつか結婚する」ではなく、
「本当に結婚するんだ」と実感する出来事が続いた出来事を書いていく。

かねてからメキシコで入籍をしてから違う国へ行く約束をしていた。
メキシコでは入籍の手続きをCivil Wedding(いわゆる結婚披露宴)で行うとのこと。
そのため、結婚式場、ウェディングドレス、結婚指輪の手配をしなければならない。

まずはウェディングドレスを見に行った

オリサバのドレスショップへ向かった。
店内には、白いドレスがずらりと並んでいる。

正直、それまではどこか他人事だった。

でも、実際にドレスを前にすると空気が変わる。
彼女が試着室から出てきた瞬間、きれいだ、と思った。

そして同時に、

「ああ、本当に結婚するんだな」

と、静かに実感した。

結婚は、手続きや書類やお金の問題だけじゃない。

目の前にある「白いドレス」が、
それを現実にしていた。

オリサバでは中々良いドレスに巡り合えなかったが、
ドレス選びをするのが楽しかった。

メキシコシティでドレスを買うと話しているが、
カルテルの状況もあり、いつ買えるかがわからない。

結婚会場を決める

次は会場選び。

いくつか候補を見て回り、
雰囲気、広さ、家族の意見、予算…いろいろ考える。

最終的に「ここにしよう」と決めた。

未来が少しだけ具体的になった。

日付が決まり、場所が決まり、
あとは進むしかない。

世界一周の旅の途中なのに、
人生の大きな決断をしている。

不思議な感覚だった。

父方のおばさんと山へ

おばあちゃんの誕生日の次の日、まだ暗いうちに家を出た。

父方のおばさんと一緒に、
オリサバ山(Pico de Orizaba/標高5,636メートル)の近くまで車で向かう。

道は静かで、空気が冷たい。
そして、ゆっくりと空が明るくなっていく。
途中、舗装されていない悪路も通りながら、徐々に中腹へと登っていく。

目の前にそびえる巨大な山。
雪をかぶった頂上が、朝日に照らされていた。

世界一周をしている中で、
有名な観光地だけでなく、ローカルの人が行く観光地もいい。

おばさんと一緒に朝日が見えるレストランで
朝ごはんを食べながら、ゆっくりと太陽が昇るのを見た。

その時間が、やけに静かで、特別だった。

人生でメキシコの山で朝日を見る日が来るなんて、想像もしていなかった。
毎日が非日常の連続。やっぱり旅に出てよかったと思えた。

旅と結婚のあいだで

世界一周に出たけど、

今は一つの町で、家族と、
結婚式を準備している。

旅は自由で、不確定で、流動的だ。

でも結婚は、
場所を決め、日付を決め、人と人を結ぶ。

正反対のようでいて、どちらも「人生の延長」だ。

オリサバでのこの一週間は、
観光地の思い出よりもずっと深く残ると思う。

ドレスを見て、
会場を決めて、
山で朝日を見た。

それは、

「世界一周の途中」ではなく、
「人生の途中」なのかもしれない。

山の中腹まで、市内から1時間半ほど。オリサバ山を見ながら食べる朝ごはんは美味しかった。
しかも、ビュッフェ形式で一人150ペソ(≒1,350円)、標高3000メートル付近でこの値段は破格だった。

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