【旅日記 #24】ビニャレスからハバナへ帰還!トリニダード行きの乗合タクシーで壮絶な値段交渉

キューバ

社会主義国家であるはずのキューバで、むしろ資本主義の厳しさをこれでもかと味わった前回。
今回はビニャレスからハバナへ戻り、世界遺産の街トリニダードを目指します。

ただ、ここはキューバ。
都市から都市へ移動するだけでも一苦労です。

果たして今回は無事に移動できるのでしょうか。
それでは、キューバの移動に翻弄される日本人とメキシコ人の旅をお楽しみください。

ビニャレスからハバナへ帰還!

ビニャレスでの滞在を終え、再び首都ハバナへ戻ります。
帰りの移動手段は、今回も宿のホストにコレクティーボ(乗合タクシー)を手配してもらいました。

料金は1人30USD(約4,800円)。
行きは35USD(約5,600円)だったので、5USD(約800円)安くなりました。

やっぱりどこの国でも都市部の方が物価が高いのでしょうか。
それとも、ハバナの客引きたちが吹っ掛けているだけなのか。

今となっては知る由もありません。

お世話になったホストのフアンさんに別れを告げ、いざハバナへ。

フアンさんは自転車のロックが外せないかわいいおじいちゃんでした。

行きの移動では、乗り換えやら何やらで散々振り回されましたが、今回は特にトラブルもなく到着。
なんと、普通に移動できました。

キューバで予定通りに移動できる。
それだけで少し感動してしまう自分がいます。

完全にキューバに調教されてきました。
当たり前のことが当たり前に行われる。
そんなことに感謝してしまう自分。

優しい一面をたまに見せたDV夫に感謝してしまう妻みたいですね。
何言ってんだこいつ。。。

一人5USD(約800円)でとてもオーガニックな朝食を作ってくれました。
ちなみにビニャレスは一泊796円でした。異常な安さ!

壮絶なる交渉戦争!因縁の男との再会

ハバナに到着し、Airbnbで予約した宿にチェックイン。

しかし、のんびりしている暇はありません。

翌日は世界遺産の街トリニダードへ向かう予定です。
つまり、今日中にコレクティーボを手配しなければなりません。

向かう先は、ハバナ到着後の初日に訪れたバスターミナル。
あの怪しい客引きたちが大量に生息する場所です。

もはやバスターミナルというより、戦場。
覚悟を決めて、再び敵地へ乗り込みます。

不穏な空気があふれるバスターミナル。歴戦の客引きばかりです。

第一ラウンド:因縁の男、パベル登場

バスターミナルに到着するやいなや、早速一人の男が話しかけてきます。

「ビニャレスか?どこに行くんだ?」

出ました。キューバ名物、客引きのおじさん。

しかし、こちらもキューバ滞在数日目。
もはや、この程度では動じません。
男についていこうとした、その時。

「おーい!おーい!」

遠くから別の男が現れました。

その顔を見た瞬間、全身の毛が逆立ちます。

こ、こいつは……!!

初日にバスターミナルで遭遇し、最後は舌打ちして去っていった男ではありませんか。

まさかの再会。男の名は、パベル。

一度拳を交えた宿敵との再戦です。

これは手強い相手になりそうだ……。

そう思った瞬間、心の中の孫悟空が叫びます。

「オラ、ワクワクすっぞ!」

こうして、ハバナのバスターミナルを舞台に、壮絶な交渉戦争のゴングが鳴り響きました。

第二ラウンド:先制攻撃!40USDの左ジャブ

「どこに行くんだ?ビニャレスか?」

パベルが話しかけてきます。

ここで、事前にメキシコ妻と打ち合わせていた作戦を実行します。

メキシコ妻はスペイン語が話せないふりをする。

彼女がスペイン語を話せるとバレれば、交渉は完全に相手の土俵。

ここはカタコトのスペイン語を話す日本人が、単独で戦うしかありません。

まずは僕から先制攻撃。

「トリニダードに行きたい。ネットで40USD(約6,400円)って見たんだけど」

先制打ッ!!

左を制する者は世界を制する!!!

しかし、パベルも百戦錬磨の男。

「ああ、最近はインフレもあるし、アメリカからの規制も厳しいから50USD(約7,500円)なんだ」

冷静に左ジャブをガードし、そのままカウンターを放ってきます。

さすがパベル。

もっともらしい理由を並べながら、しっかり10USD(約1,500円)上乗せしてきました。

目の前にいるのは、カタコトのスペイン語を話す東アジア人。
絶好のカモに見えていることでしょう。

しかし、こちらも想定内。
練習通りにダッキングでかわし、反撃に出ます。

「あ、じゃあいいよ。他の方法探すわ」

その場を立ち去ろうとする、スウェイからのアッパーカット!!

するとパベルが慌てて反応します。

「待て待て!じゃあ45USD(約7,200円)でどうだ?」

効いたッ!!

確実にダメージが足まで届いています。ふらついている。

ここで一気に畳み掛けます。

「いや、40USDじゃないなら行かないよ」

渾身の右ストレート!!

これは決まった!!!

勝利を確信した、その瞬間。

「いや、40USDは無理だ」

まさかのクロスカウンター!!!

完全に顔面を捉えられました。

勝利が目前まで迫っていたはずなのに、突然遠ざかっていきます。

こ、こいつ……強い……!!

第三ラウンド:泥沼のクリンチ合戦

正直、ここから先の作戦は考えていませんでした。

完全に想定外です。

しかし、ここで引き下がるわけにはいきません。

こうなったらクリンチです。

泥試合に持ち込んででも、なんとか判定勝ちを狙います。

「いや、40USDだ。40じゃないと行かないね」

するとパベルも負けじと打ち返してきます。

「じゃあ、行きは45USD(約6,750円)、帰りは40USD(約6,000円)でどうだ?これがファイナルオファーだ」

なんと、往復での値引きを提案してきました。

しかし、ここで素直に受け入れては男が廃ります。

次なる作戦を発動。

バカを演じる。

「ああ、オッケーオッケー!行きも帰りも40USDね!ディール!!」

スペイン語がよく分かっていないふりをして、自分に都合のいい条件で強引に握手を求めます。

するとパベル。

「だーかーらー!行きは45USDで、帰りが40USDだ!」

少し語気を強めに説明し直してくれました。

なんだ、意外と親切じゃないか。

いや、違う。

こいつも絶対に引く気がありません。

こちらが40USDを主張すれば、向こうは45USDを主張する。
こちらが聞き間違えたふりをすれば、向こうはもう一度説明する。
そんなやり取りが延々と続きます。

気づけば交渉開始から30分。
しかも、気温は35℃。
炎天下で繰り広げられる、たった5USD(約800円)をめぐる死闘。

もはや、どちらが勝っているのかも分かりません。

いや、それ以前に。

俺たちは一体、何と戦っているんだ……?

最終ラウンド:判定決着、そして翌朝の珍事件

30分に及ぶ激闘の末、ついに決着の時が訪れます。

結果は……。

行き45USD(約6,750円)、帰り40USD(約6,000円)。

パベルの提案を受け入れることになりました。

負けた……。

いや、最初の50USDから5USD値引きできたのだから、引き分けでしょうか。

なんとも微妙な判定です。

ただ、ここまで粘る観光客はなかなかいないようです。

交渉が終わる頃には、パベルもすっかり疲れた様子。

帰りのハバナの空はいつもより青い、、、気がしました。。。

そして翌朝。

宿にコレクティーボが迎えに来たのですが、そこにはなんと……。

パベル本人の姿が!!

どうやら、あれだけ交渉した僕たちが本当に乗るのか、不安だったようです(笑)。

わざわざ迎えに同行してくるとは。

最後まで油断できない男です。

「日本人なめんじゃねぇ!!」

心の中で勝ち誇りながら、無事に車へ乗り込みます。

しかし、その一方で、頭の片隅には別の感情が。

「俺、何やってんだ……?」

会社を辞め、メキシコで結婚し、今はキューバの炎天下で見知らぬ男と30分も値段交渉。

しかも、争っていた金額はたった800円。

冷静に考えると、なかなか意味の分からない人生を送っています。

ただ、こんな出来事も含めてキューバ旅行。

予定通りにいかないからこそ、旅の思い出になるのでしょう。

知らんけど。

こうして、パベルとの激闘を終えた僕たちは、ようやく世界遺産の街トリニダードへ向かうのでした。

果たして、今度こそ平和な旅になるのでしょうか。

次回、陸の牢獄!灼熱地獄!!トリニダード編へ続きます。

今回の話の中心になったコレクティーボの手配や相場についてはこちらで解説しています。

激烈な勝負の後は、ご褒美ランチをしました。豪華なキューバ料理で一人30USD(約4800円)ぐらい使って豪遊しました。

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