メキシコシティからオリサバへ来て、空気が変わった。
騒音が減り、空が広くなり、人の歩く速さがゆっくりになる。
観光地に来たというより、「誰かの地元」に来た感じがした。
川沿いを歩いて中心街(セントロ)へ
メキシコ妻と彼女のお母さんと一緒に、オリサバの中心街まで歩いた。
30分ほど、川沿いの道を進んでいく。
驚いたのは、その道だった。
川の横には檻が並び、 トラ、サル、カバが普通にいる。
動物園ではない。無料で見られる公園の一部らしい。
行き場を失った動物たちを、街が保護しているらしい。
日本だとお金を出して、動物園へ行かないとみられないような動物たちがいた。
ここが日本なら、みんな立ち止まって見ることに集中するだろう。
ただ、みんなにとってはすでに生活の一部になっているらしい。
子供たちが普通に歩き、犬が走り、家族が談笑している。
観光用に整えられた場所ではなく、生活の中に動物がいる感じだった。

オリサバの中心を流れるRio Orizaba、直訳するとオリサバ川。

「マーラ」というウサギのような動物がいて、カピバラの仲間らしい。初めて見た動物だった。
ケーブルカーで山の上へ
セントロからケーブルカーに乗って山の上(Cerro del Borrego)へ向かう。
ゆっくり高度が上がり、オリサバの街が広がっていく。
高層ビルはなく、屋根が規則的に並ぶ。
ケーブルカーは景色を楽しめるように途中で止まる。
10分ほど乗らないといけない高度の中で宙ぶらりんになるのは怖かった。
けど、妻のお母さんが叫んでいたのに気を取られて怖い感情もどこかにいった。
山頂に着くと、街が一望できた。
メキシコ妻と写真を撮って、次のカップルに順番を譲ると、
「Hey my friend you are in Mexico, look at this!」 と言い、
写真を撮りながら、キスをし始めた。
「おー、メキシコに来たなあ」と思った瞬間だった。

山頂で撮った2ショット、街を一望できる絶景だった。
山の上で食べたローカルフード
頂上では、オリサバ名物のパンバソ(Panbazo)を食べた。
サンドイッチのような食べ物だ。中身は豚肉(Pastol)。
そして飲み物はアグア・デ・ハマイカ(Agua de jamaica)。
甘酸っぱいハイビスカスジュースで、メキシコでは定番。
景色を見ながら食べると、観光というより遠足みたいだった。
帰り道では、メキシコ版ケバブのようなタコスを買って帰宅。
この頃には、レストランに行くより屋台の食べ物の方が楽しみになっていた。


パンバソは素朴なサンドイッチ。中にはチーズ、豆のペースト、豚肉が入っていた。
アグアデハマイカは色は濃いが味はすっきりと甘酸っぱい。
教授の家でカルネアサダ
翌日はメキシコ妻の研究室の教授の家に招かれた。
庭で肉を焼き始める。 メキシコ北部の名物カルネアサダ(Carne Asada)らしい。
焼いた牛肉を、ケサディージャにのせて じゃがいもと玉ねぎと一緒に食べる。
そして必ず出てくるのが、チリソース。
今回はハバネロ入りのグリーンソースだった。
辛いが、旨味が強くて止まらない。
レストランに行くより、こういう家の食事の方が印象に残る。

教授はMonterrey(メキシコ北部)の出身。出身地の名物をふるまってくれた。
ローカルマーケットの朝
その次の日は、サマンサのお母さんの友達とローカルマーケットで朝食。
野菜が山積みで並び、 地元の人が普通に買い物している。
その中の一部に簡易的な机とプラスチックの椅子があり、 そこで、タコスなどを食べた。
ローカルな地元の朝ごはんを体験できて、美味しかったし、楽しかった。
ここでは、食材も購入した。
日本から持ってきたうどんを作るために 長ネギと細ネギを探す。
さらにカレーも持ってきていたので じゃがいもとニンジンも購入。
観光ではなく、生活をしているという感じがした。

黒いトルティージャがトラコジョ(Tlacoyo)、下のトルティージャがガルナチャ (Garnacha)
トラコジョは外見と同じでチーズの素朴な味わい、ガルナチャは中に細切りでホロホロの豚肉が入っていて美味しかった。

オリサバのローカルマーケット(Mercado Zapata)、4~5種類の野菜を合計100ペソ(≒900円)ほどで購入。
オリサバという街
オリサバは田舎すぎず、都会すぎない。
栄えている場所はあるが、過剰ではなく、 空気がきれいで、静かで、落ち着いている。
旅行先として印象に残るタイプの街ではないかもしれない。 でも、住むと好きになる街だと思う。
メキシコ国内からは観光客が来るらしいが、 海外から来る人は全然見ない。
英語をしゃべる人も英語を聞く機会も極端に減った。
観光だけではなく、誰かの日常の中にも入っていく旅。
それが、自分のしたかった世界一周なんだと思った。



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